子なしアメリカ駐在妻の徒然日記

2019年から夫のアメリカ駐在に帯同。コミカレ入学、就活、アメリカ企業での仕事などのついて書きます。

レイオフ(lay off)体験記  その2

社員証とPCの返却に行く

翌週の月曜の朝、久々にオフィスに行きました。というのも冬にリモートワークの命令が出てから一日もオフィスで仕事をしていなかったからです。ドアをくぐると上司の姿が。久しぶり〜と挨拶をしながら、いつも仕事をしていた自分の席がある部屋に連れて行かれました。上司が監督する中、私物といらないものを机から撤去しました。そんなに私物って置いていなかったのですが、一応私物持ち帰り用にトレジョのエコバックを持って行きました(笑)片付け終わったら社員証とラップトップPC一式を返却、レイオフ通知の面談で聞いたことを一通りさらっと説明されました。

上司から追加で確認されたのは、「うちの会社の医療保険使ってた?」ということでした。私は夫が駐在員のため夫の保険で賄っていると答えるとほっとしているようでした。医療保険って医療費が高額なアメリカでは大きなベネフィットですものね。会社の医療保険にはフルタイム従業員しか入れない場合が多いようです。レイオフ後一定期間が過ぎると会社の医療保険が使えなくなるとのことでした。あともう一つ聞かれたのが、「子供はいるの?」ということ。子供はいないしうちは夫が日本企業の駐在員で数年後には日本に帰るし、そんなにシリアスな状況ではないよと伝えるとまた安心したようでした。恨まれることも多いポジションなのだろうなとちょっと同情(まあ、私は首切られてる立場なのですが)。お互い元気でね、いっしょに働けてよかったよと定型の雑談を少ししたのち帰宅しました。滞在時間は約15分ほどだったと思います。

帰りの車の中ではあまりのあっけなさについ笑いがこみ上げてきました。以前から仕事量の減少や同僚のレイオフなど予兆は多々あり覚悟できていたので、来るべき時が来たのだと自然に思うことができました。ただ私は駐妻という特殊な立場。こちらに永住していてこれからたくさん学費がかかるお子さんがいる方もたくさんレイオフされています。そういう方々の財政状況を思うと少し心配になりました。私自身はいい職場で人間関係にも恵まれていたのでもちろん残念な気持ちもありつつ、奇跡的にアメリカでしかも結構環境の会社で1年たらずではあるけど働くことができたことに満足感を感じていました。これも駐妻生活満喫するいい機会だし、仕事をしていた時間に今日から何をしようかな〜、と考えつつとりあえず今まで行く余裕がなかったちょっと遠くのスーパーマーケットに行きました。

Unemployment Benefit(失業保険)のApplication(申請)

上司に言われていた通り、その週の金曜日に失業保険の申請をしました。失業保険は「unemployment benefit」。レイオフされなかったら知ることもなかったかもしれない単語です。何でも経験しておくものですね、、、

申請は州のEmployment security departmentのサイトで行いました。SSN含む個人情報や働いた期間とその間の賃金、現在のステータス(レイオフか?スタンバイか?など)など入力していきます。詳しい内容は州や状況によって異なるので割愛します。こっちのウェブサイトはやっぱりよくできていて、とても入力しやすい。スマホでも入力可能です。日本で役所宛のいっぱい書類書くあの労力は何なのだと腹立たしさまでこみ上げます。わからない文章はGoogle翻訳で訳したりどう答えたらいいのかわからない質問はググったりしつつ、初めてでも30分〜1時間かからず全て入力できたと思います。コロナ禍で失業者が激増しているとのことでプロセスに時間がかかっているという但し書きがウェブサイトの随所にありました。あとは気長に待つのみです。

駐妻でも失業保険もらえるの?→もらえました!

夫は「失業保険ってもらっていいのかな?」と心配していました。私は好奇心から申請してみたかったというのもあるし、もらえるものはもらっておいて悪いことではないだろうと思い強行。ちゃんと税金を適切に納めていれば悪いはずがありません。税金は源泉徴収されるよう設定する入力箇所がありました。意外だったのは申請時に配偶者や世帯全体の所得を記入する箇所がなかったことでした。

二週間後、自分の銀行口座に入金が確認できました。今コロナ流行による失業者に対する上乗せ給付があったりして、結構もらえるんですよね。巷では働いてた時よりいっぱいもらえる!という人もいるんだとか。これではみんな働く気がなくなりますね。通常であれば失業保険受給の条件に求職活動中であることという条件があるのですが、コロナ禍におけるステイホーム期間中はその条件が撤廃されているとのこと。私も働かずしてこれだけもらえるんだーってちょっと得した気持ちになりました。

毎週の請求(Claim)提出が必要

毎週一回、前の週に対してどこかの会社で働いたか?何時間働いたか?その他個人的な収入はあったか?会社から退職金は支払われたか?などの質問に答え、前の週の失業保険を毎週請求(Claim)する必要があります。支払いの分割に関しても最初の申請時に何か他に選択できた気がしますが忘れてしまいました。入金に関しても週に一度行われます。

 

レイオフ(lay off)体験記  その1

駐在妻でフルタイム就職するということ自体珍しいと思うのですが、それに加えてレイオフ(lay off)というこれもまた珍しい経験をしました。しかも自宅でのリモートワーク期間中にです。アメリカの企業にてフルタイムリモートワーク下でのレイオフがどんなふうに行われたのか?下記に記録します。

 

当日突然レイオフを言い渡されるって本当?→本当でした!

ある金曜日。朝一で当日のOutlookにManagerからのMeeting Appointmentが入りました。当日の15時開始とのことでした。「いつもだとMeetingするにしても内容について一声かけてくれるのにおかしいなぁ、ひょっとするとレイオフ通知かな?」という予感は正直この時点ですでに薄らありました。というのもうちの会社はコロナウイルスの流行によって経営に甚大な影響を受けており、私のチームでも1ヶ月前に二人すでにレイオフされていたからです。他部署でもレイオフが相次いでおり、週末ごとに多い時では全社のうち数十人のレイオフされた人の氏名のリストがメールでずらりと送られてくるという状況で、同僚とも私たちもいつ切られるかわからないねと話していたところでした。とはいえ日常の仕事もあるし、あまり気にせずにいつも通り仕事に取り掛かりました。

15時になり、社内で使っているチャットアプリを通してCallが来たので通話開始。そこで想定外の状況に気付きます。「あれ?Manager(課長)だけじゃなくて普段実務であまり関わらないGeneral Manager(部長)がいる!」その時点でレイオフを察し心臓はバクバクと鳴りうち始めました(笑)

話を聞いてみるとやはりレイオフ。正確にいうとスタンバイ(Standby)という位置付けになるとのことでした。完全な解雇ではなく一定期間のうちにビジネスの状況が改善すると呼び戻される可能性があるという立場のようです。アメリカ企業で働いているくせに電話はまだまだ苦手で、アメリカの雇用というよくわからない内容を聞き取るのは至難の技でした。

 

レイオフ通知面談の内容は?

何度も聞き返しながら理解した(笑)レイオフ通知の内容を簡単にまとめます。

  1. 現在の会社の経営状況の悪化を鑑み(current situation)、人員削減(reduce workforce)することを余儀なくされた。そして残念ながら(unfortunately)あなたがその対象となることに決まった。
  2. あなたのステータスはレイオフ(layoff)ではなくスタンバイ(standby)となる。
  3. 現在手持ちの仕事のうち、CCにチームメンバーが入っていない案件があれば誰でもよいのでできる範囲で転送(forward)して共有するように。
  4. 来週月曜の午前中に会社に社員証(badge)とPCを持ってくるように。その際に自分の机まで行き私物を持って帰れる。
  5. 来週中にすぐに失業保険(umemployment benefit)の申請をするように。その際はstandbyのステータスにて申請すること、勤務最終日の日付は今日の日付とすること。何度か却下されるかもしれないが、よくあることなので繰り返し申請すること。
  6. fired(勤務態度が悪いためのクビ)やlay offではないので、これからの連絡を取り合いましょう(keep in touch)。何かあったらすぐ連絡してね。

名目上はレイオフでないと言いつつも、言い方やビジネスの回復の兆しの見えない状況からレイオフに等しい対応だと悟ることができました。

 

面談後、すぐにネットワークアクセスの権限がなくなった!

面談を終え動揺を落ち着けられないまま、別室して仕事をしている夫に報告。本気で驚いていました。本当に当日解雇されるのか!という感じですよね。

私自身も心の準備はしていたつもりでもやはり衝撃は大きくちょっとした興奮状態だったと思いますが、そんな中とりあえず言われた通り必要そうなメールを他の同僚に転送することにしました。と、しっかり最近のメールに目を通す間も無く15分くらいで社内ネットワークやOutlookアカウントへのログインの権限がみるみるうちになくなり何もできない状態に。情報流出とかのリスクを考えて「本当に来週までPC持ってていいの?」と面談で質問したのですが、なるほどこの速さでは何も流出しようがない(笑)私は何もできなくなったPCを前にただ茫然とするばかりでした。

 

アメリカの解雇の種類

この状況になり初めて知ったのですが、アメリカには解雇と言ってもいろいろあるようです。私のわかる範囲でまとめてみました。一般的にこんな感じというだけで、会社によって形態や呼び名が若干変わる場合もあると思いますが悪しからず。

fired

勤務態度が悪い、能力が低い、問題を起こしたなどの理由で解雇されること。いわゆる「クビ」ってやつですね。失業保険はもらえないです。

lay off

会社の業績の悪化による仕事量の現象などを理由とする一時解雇。会社都合のため失業保険が給付される。呼び戻される場合もあるし、将来その会社で求人募集があった場合に応募することもできる。会社からはいったん切り離され退職扱いとなる。

standby / furlough

会社の業績の悪化による仕事量の現象などを理由とする出勤停止。大抵2〜3ヶ月等の期限が決まっている。一時的に人件費を削減したいだけですぐに呼び戻されることもあるだろうし、業務量が戻らずそのままlay offに移行される場合もある。会社からはまだ完全には切り離されず、退職金も支払われないし退職の通知も来ない。失業保険は給付される。

 

アメリカでの解雇まとめ

  • 大抵の場合金曜日などの週末に行われる。(解雇対象となる従業員、同僚である従業員の精神的ショックに配慮?)
  • 解雇と言っても、いろんな種類がある。
  • よくアメリカでは「当日肩たたき」と言われるが本当にあり得た。ただし、大企業などでは計画的に数ヶ月後に解雇(最終日)などと告知がある場合もあるらしい。

 

その2ではPCと社員証の返却、失業保険の申請について書きます。

アメリカで駐妻が働くまで(仕事探し編)

筆者のスペック

年齢・家族構成

アラサー、子なし。夫は私の就職について多少心配はあるようだが、私が心身ともに健康に過ごせるのであれば、と好意的。

居住地域

西海岸、そこそこ都会。日本人コミュニティは中国・韓国等他国に比べれば小さいがあり。日本系スーパーマーケットもあり。

学歴

日本の文系4大卒(英文科)。海外経験は大学時代の1ヶ月のホームステイと現地語学学校での語学研修のみ。

職歴

日本のメーカーで勤続5年以上(事務職)。体を壊して休職していた時期などもあって、これと言った専門性やキャリアはない。英文科卒ということで、たまに雑用的に仕様書、監査報告書、議事録などの日訳・英訳を頼まれてはいたが、グーグルに頼りまくり自己流で適当に翻訳していた。

 英語力

TOEIC 780点だが、ちゃんとした文章での英語は話せない。単語の羅列みたいになったり、時制がぐちゃぐちゃになる。とにかく自分で自信がない。
相手の言っていることも、ゆっくり簡単な内容でやっとわかる。人見知りなのでそもそもコミュニケーションに過度に緊張してしまう。文章の読み書きはスピーキングより多少マシだが、前職ではほとんど英語を使わなかったのでビジネス英語の知識は皆無に近い。英語のミュージカルが好き。

希望していた仕事
  • 前職の経験を生かしたい
  • 日本帰国後のキャリアに生かしたい
  • ものづくりの業界が好き
  • 英語力を高めたい

ということで、なんとなく製造業がいいかなと思っていました。IT系などにも興味はありました。これもなんとなく。当時は「私なんかがアメリカ仕事を選べるのだろうか?」という不安も大きかったので、就職できるのであればなんでもいいや、というのが正直な気持ちだったかもしれません。(それほど日本で仕事を辞めたことが不服で、自分で収入を得ることに飢えておりました。)もともと英語を勉強していたけど全然自信を持って話せるとは言い難く、これをチャンスに帰国後は胸を張って「英語できます!海外で働いた経験あります!」と言って転職したいなと思っていました。

仕事探しの方法、私はコネ入社です!

アメリカで仕事を探す一般的な方法
  1. 在住エリアの日本語ポータルサイト・情報誌の求人欄、掲示板で探す
  2. 日本人向けの就職エージェントに相談し、仕事をマッチング・紹介してもらう
  3. Indeed、Linkdin等の一般向け就職情報サイトで探す(もちろん英語)
  4. コネ(知人の紹介) 

働く!と決めてEADを申請し到着を待っていた時から私が確認していたのは主に1、2です。大体日本人向けの求人の時給はいくらくらいが相場か?求人の多い場所は?仕事内容は何が多い傾向か?など調べていました。EADも届き本格的に就職活動を開始しようと思い「やっぱり不安だしよくわからないしエージェントに相談していろいろ情報をもらおう」と思っていた矢先に、アメリカに来てからボランティアを通じて知り合った永住の日本人の方にその方の職場(日系企業)での求人を紹介してもらいました。本当にラッキーでした。

おすすめの仕事探しの方法はコネづくり!

アメリカでは「コネ入社」が主流

面接一発勝負やレジュメ に書かれた学歴・経験の情報、内容の充実度だけで決まってしまう就職よりも、仕事以外の場で知り合った人の紹介の方が自分という人間がどのような人間なのか?よくわかってもらえますよね。その分会社とのマッチングもうまくいくような気もします。紹介する側にも紹介先に対する責任が伴うので全く的外れな人材を紹介できませんし、紹介される側も仲介してもらった人の顔を立てようと仕事に責任を持てます。アメリカでは”Referral”といい、とても一般的な就職方法のようです。(日本にももちろんなくはないですが。)

紹介する人にもされる人にも、さらに会社にもメリットが

入社時に書く書類には仕事を紹介してもらった人(その会社の従業員)の名前を書く欄がありました。そこに名前を書かれた従業員(人材を紹介した従業員)に何百ドルかのボーナスが入るようです。余談ですがアパートメントの入居の際にも”Referral”を書く欄が同様にあり、こちらも同様に結構な額のボーナスが付与されます。紹介する側には謝礼がもらえるというメリットがあり、会社も全くバックグラウンドのわからない人を面接だけで入れるよりも、人を介しての紹介の方が何人も面接するよりも良い人材を集めるのために合理的という判断なのでしょう。アパートメントの入居者も然りですね。

コネづくりの実践おすすめ方法

コネを作るための場所
  1. ボランティア
  2. 習い事
  3. 日本人主催の交流イベントや講演会
  4. インターネット?
まずは友達を作り、自分の居場所を作る!

私は最終的に1のボランティアで知り合った方に仕事を紹介してもらうことができました。ボランティアの内容は日本文化紹介イベントのブースで日本文化を紹介する、というものです。まずはインターネットで地域の日本語ポータルサイト・掲示板をみると、ボランティアの募集がいくつか出ていると思います。自分の興味を持った日本人ボランティア団体にコンタクトをとり、見学させてもらいましょう。2の習い事も同じで、まずは自分の興味のある習い事を日本人の人と楽しんでアメリカでの居場所を作る、プラス仕事につながればいいなぁという感じでいかがでしょう。最初は少し勇気が必要ですが、どの団体もアメリカの地で日本語でコミュニケーションができる相手は貴重なので歓迎してくれるところが多いはずです。まずはその場所での人との交流を楽しみ、良好な人間関係を築き友達を作り、活動を一生懸命楽しくやりましょう。「ちょっと違うな」と思ったら、フェードアウトして別の団体を訪ねてみましょう。別に会社で働かなくても、楽しくてそこが自分の居心地のいい居場所になるかもしれません。そうなったらそれも結果オーライです!活動を通して楽しく自然にいろんな人に自分の人間性を知ってもらいましょう。

雑談の中で「仕事がしたい」と相談してみる

上記を前提とした上で、いろんな人との雑談の際に「私アメリカで働きたいんです!」と相談してみましょう。まだ自信がなければ「実は仕事したいんですよねー。でもちょっと英語は不安なんです。」などの相談でもいいと思います。相手も仕事探しの相談に乗ってくれるかもしれませんし、直接求人を紹介してもらえるかもしれません。「こうしたらいいよ」「この人に会うといいよ」というような有益な情報をもらえるかもしれません。「仕事を探している日本人がここに一人いる」と知ってもらうだけでも、いつかその人に思い出してもらえて仕事につながる可能性が高まると思います。

現地就職・永住している人は頼りになる

特に私がオススメするのは、アメリカで現地就職し永住している人と多く知り合うことです。日本の会社から多額の手当てをもらっている駐在員と永住・現地採用の方との間には深い溝がある…などとよくネットでも目にしますし、実際私の駐在妻の知り合いの方で永住の方と密に人間関係がある方はあまり知りません。しかし、多くの永住の方はチャレンジしたいと言う人に対して非常に協力的です。アメリカに移住した方は、永住というステータスを自分の手で得るために、文化も言語も違う国で勉強に仕事にチャレンジを重ねてきた人たちです。国際結婚により永住となった方も、家庭内での文化の違いに苦労しながらも並々ならぬ努力をした上で現地のコミュニティの中で暮らしている人が多いです。そしてこちらでは共働きが一般的なので、日本人夫婦・国際結婚夫婦に関わらず夫婦二馬力で働いていることが普通です。皆さん自分の努力で仕事や生活を勝ち取っている人なので、そういう方々への尊敬の念を持った上で「キャリアアップのために挑戦したいので力を借りたい、いろいろ教えてほしい」という姿勢で相談するととても真摯に答えてくださる方が多かったです。

とにかくまずは自分らしく楽しめる居場所を手に入れよう

3については現地で活躍する日本人ビジネスマンのパネルディスカッションに一度夫と参加したことがありますが、こう言った場に足を運ぶと直接仕事につながる人間関係を得ることもできるかもしれません。何より勉強になります。4についてはこのご時世ですからインターネットのMeetupなどでもよいご縁があるかもしれません。私はあまり詳しくないのでわかりませんが。おすすめは、とにかく自分が「楽しそう!」「やってみたい!」と思える日本人コミュニティでの活動(習い事・ボランティア)を探して勇気を出して訪ねありのままの自分を見てもらい、そこで知り合った人と仲良くなり相談してみるというのが一番よいのではないかと思います。

「英語ができる」より「日本人である(日本語ができる)」が重宝される

日本にいるとTOEICの点数などで英語力があるか、海外留学経験があるか、と言うことが就職する際の能力評価に影響するように、アメリカでは逆に「日本人であること」「日本語ができること」「日本の会社で働いたことがあること」が大きな強みになります。アメリカという日本ではない場所では当然のことなのですが、アメリカといえば英語力だけに目が行きがちだった私には眼から鱗でした。アメリカに住む日本人は少ないので、自然と希少価値が高くなります。アメリカには日本と関わる仕事は非常に多いです。あなたはすでにアメリカ社会という土俵で高く評価される特殊能力を持っているのです!こういう仕事は日本の方を向いてする仕事(日本の会社と主に調整・やり取りする仕事)が多いのですが、同僚に日本人も多いですしいきなり英語漬けのアメリカの会社に飛び込むのは不安だと思う場合にはちょうどよいと思います。何よりアメリカ企業とあまりに文化の違う日本企業で実際に働いた経験があり、仕事相手である日本企業の人たちを理解し密にコミュニケーションとれる、空気が読めるという能力は貴重なものと見なされるようです。
そのほかでは特に日本食がブームということもあり、日本食レストランの求人はひっきりなしに出ています。会社勤めもいいですが、日本独自の文化など”Cool Japan”を海外に紹介する最先端で活動するのも、楽しそうですよね。

あなたの仕事探しの成功を祈っています!今後レジュメ の書き方・面接体験談についても更新予定です。

ソーシャルセキュリティーナンバー (SSN)を手に入れるまでの道のり

駐在のためアメリカに引っ越してきてまず必要となる手続きがSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)の申請です。日本語に訳すと「社会保障番号」となり、州の運転免許申請や銀行口座の開設、EAD(労働許可)の申請などこれがもらえないと先に進められない事務手続きが多くあります。スムーズに行くと3週間ほどで手元に届き、運が悪いと延々と待たされるという噂のSSN。私の場合は後者、待てど待てどSSNが届かないパターンでした。ご参考までに私の手元に届くまでのタイムラインをご紹介します!

 

SSN受領までのタイムライン

到着3日後:領事館にて婚姻証明を申請

持って行ったもの

  • 戸籍謄本
  • 戸籍謄本の英訳
  • パスポートとビザ
  • 記入済みの申請用紙
  • I-94(念の為)
  • 現金

申請書は事前にダウンロードしてプリントアウトし、記入して持参しました。現地でももらって書けると思いますが、家にインターネットとプリンタの環境が整っているのであれば準備して行くと当日スムーズに手続きが完了します。領事館に入るときには簡単なセキュリティチェックがありますので、あまり大きくないカバンに最低限の持ち物で行くことをオススメします。また、支払いはクレジットカードではできませんので忘れずに現金を持って行くようにしてください。(※詳しい持ち物や注意については、必ず事前に領事館のホームページを参照するようにしてください。)

当初婚姻証明は即日発行だと聞いていたのですが、実際に窓口に行って見ると明日以降取りにきてくださいと言われました。この日1日夫に休みをとって同行してもらったので1日で済ませる予定だったのですが、いきなり予定が狂いました。英訳については窓口で提出したものの、必要ありませんと返却されました。同時に日本の運転免許証も持ってきていれば州の運転免許証発行に必要な証明書発行の申請ができたらしいのですが、家に置いてきてしまったためこれもまた後日となりました。

到着5日後:領事館にて婚姻証明を受け取った後、SSO(ソーシャルセキュリティオフィス)にてSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)を申請

持って行ったもの

  • 婚姻証明
  • 戸籍謄本
  • 戸籍謄本の英訳
  • I-94
  • パスポート・ビザ
  • 記入済みの申請用紙

私の行ったオフィスでは順番待ちの紙はとったものの、待ち時間は15分程度と比較的短く済みました。こちらでも入り口で簡単なセキュリティチェックがありましたので、あまり大きな荷物で行かれないことをオススメします。夫に横に座ってもらいながら、窓口のお兄さんの質問に答えましたが、英語が早すぎてなかなか聞き取れませんでした。少し難航したのが「住所を証明できる書類があるか?」と聞かれたときでした。引越し後間もなく、新しい家へ私宛の郵送物もない状況で証明できる書類なんてあるはずもなく…。夫と二人でわたわたしていると、まあいいやみたいな感じで流されました。なんとか手続きが終わり、おおよそ10営業日で家に郵送で届くと言われました。その際に申請番号の書かれた紙を1枚もらいました。窓口のお兄さん、感じのいいナイスガイだったなぁと夫と話しながら帰路につきました。が、結果的にこのナイスガイに予定を狂わせられることになります…人は見かけに寄らない。

1回目のフォロー(申請から3週間後)

持って行ったもの
* パスポート・ビザ
* 申請番号の書かれた用紙

申請時に言われた10営業日を過ぎても、3週間待ってもSSNが届きません。夫も慣れない仕事で忙しそうだったので、勇気を出して慣れない運転で一人でオフィスに行くことにしました。窓口で応対してくれたのは、申請の時に受付をしてくれたナイスガイ。「まだSSN届かないんだけど(I haven’t got my SSN yetとか言ったと思います。緊張していてあまり覚えていない。)」というと、「不幸にも(unfortunately)あなたの申請は進んでいないね。3週間と言ったけど3週間以上かかることもあるんだよ。もう3週間待ってみて」と言われる。「どういうことやねん!こちとら困っとるねん!何がunfortunatelyやねん!」とまくし立てたいところでしたが、いかんせん口から英語が出てきません。心の中で「このヤロー」と思いながら、「わかった。ありがとう。」と言ってすごすごと帰りました。まあ一度フォローしたし、届くよなぁと思ってもう少し待つことにしました。ナイスガイの言葉の節々に”unfortunately”という単語が出てきて、アメリカ人って本当に日本人のようにすぐに「申し訳ない」とか言わないのだな、と文化の違いを実感しました。

2回目のフォロー(1回目のフォローからさらに3週間後)

流石に6週間も待たされていたので、今回はガツンと言ってやろう!と思いながら行きました。1度目のフォローの二の舞にならないよう、事前に言いたいことを英語でどう言えばよいのかメモしてから行きました。
今回の担当は前のナイスガイとは違う別のお兄さん。黒人系で愛想が悪い感じです。不機嫌そうなお兄さんにビビりながらもなんとか「私だいぶ前にSSN申請したのにまだ届かないんだけど」と言い申請番号の書かれた用紙を渡すと、手続き状況を確認してくれました。すると今まで見たことのない私の個人情報が書かれた紙を印刷して渡してくれて、「内容に間違いないか確認して」と言われたので確認しました。氏名、生年月日、住所、電話番号など。間違いなかったのでそう伝えると、「あと3週間後には家に届くから」と言われました。どうやら前回までの担当のナイスガイは戸籍謄本の内容確認が面倒で私の申請を放置していたような感じでした…ナイスガイではなく、不機嫌ガイに担当が変わったことで、やっと処理が動き出しました。

SSNがやっと自宅に届く(2回目のフォローから10日後)

2回目のフォローの後は手続きがスムーズに進んだようです。結局手元にSSNが届くまでに2ヶ月ほどかかってしまいました。

教訓

  • 届かない時は電話などではなく、直接フォローに行くべき!
  • 担当者によって対応が変わるので、担当が複数いる場合日を改めてもう一度オフィスに行ってみると良いかも。
  • EAD申請を考えている場合、すぐに申請して早めにSSNを手に入れるべき!

もう1年

気づくと渡米から1年。およそ30年の人生史上一番変化が大きく、濃密な一年だった。

退職、渡米、学生、現地就職、そしてコロナ流行に伴うリモートワーク(とリストラ危機)、引越し。

日々感じたことを文字で残したいと思い、ブログ開設しました。