子なしアメリカ駐在妻の徒然日記

2019年から夫のアメリカ駐在に帯同。コミカレ入学、就活、アメリカ企業での仕事などのついて書きます。

レイオフ(lay off)体験記  その1

駐在妻でフルタイム就職するということ自体珍しいと思うのですが、それに加えてレイオフ(lay off)というこれもまた珍しい経験をしました。しかも自宅でのリモートワーク期間中にです。アメリカの企業にてフルタイムリモートワーク下でのレイオフがどんなふうに行われたのか?下記に記録します。

 

当日突然レイオフを言い渡されるって本当?→本当でした!

ある金曜日。朝一で当日のOutlookにManagerからのMeeting Appointmentが入りました。当日の15時開始とのことでした。「いつもだとMeetingするにしても内容について一声かけてくれるのにおかしいなぁ、ひょっとするとレイオフ通知かな?」という予感は正直この時点ですでに薄らありました。というのもうちの会社はコロナウイルスの流行によって経営に甚大な影響を受けており、私のチームでも1ヶ月前に二人すでにレイオフされていたからです。他部署でもレイオフが相次いでおり、週末ごとに多い時では全社のうち数十人のレイオフされた人の氏名のリストがメールでずらりと送られてくるという状況で、同僚とも私たちもいつ切られるかわからないねと話していたところでした。とはいえ日常の仕事もあるし、あまり気にせずにいつも通り仕事に取り掛かりました。

15時になり、社内で使っているチャットアプリを通してCallが来たので通話開始。そこで想定外の状況に気付きます。「あれ?Manager(課長)だけじゃなくて普段実務であまり関わらないGeneral Manager(部長)がいる!」その時点でレイオフを察し心臓はバクバクと鳴りうち始めました(笑)

話を聞いてみるとやはりレイオフ。正確にいうとスタンバイ(Standby)という位置付けになるとのことでした。完全な解雇ではなく一定期間のうちにビジネスの状況が改善すると呼び戻される可能性があるという立場のようです。アメリカ企業で働いているくせに電話はまだまだ苦手で、アメリカの雇用というよくわからない内容を聞き取るのは至難の技でした。

 

レイオフ通知面談の内容は?

何度も聞き返しながら理解した(笑)レイオフ通知の内容を簡単にまとめます。

  1. 現在の会社の経営状況の悪化を鑑み(current situation)、人員削減(reduce workforce)することを余儀なくされた。そして残念ながら(unfortunately)あなたがその対象となることに決まった。
  2. あなたのステータスはレイオフ(layoff)ではなくスタンバイ(standby)となる。
  3. 現在手持ちの仕事のうち、CCにチームメンバーが入っていない案件があれば誰でもよいのでできる範囲で転送(forward)して共有するように。
  4. 来週月曜の午前中に会社に社員証(badge)とPCを持ってくるように。その際に自分の机まで行き私物を持って帰れる。
  5. 来週中にすぐに失業保険(umemployment benefit)の申請をするように。その際はstandbyのステータスにて申請すること、勤務最終日の日付は今日の日付とすること。何度か却下されるかもしれないが、よくあることなので繰り返し申請すること。
  6. fired(勤務態度が悪いためのクビ)やlay offではないので、これからの連絡を取り合いましょう(keep in touch)。何かあったらすぐ連絡してね。

名目上はレイオフでないと言いつつも、言い方やビジネスの回復の兆しの見えない状況からレイオフに等しい対応だと悟ることができました。

 

面談後、すぐにネットワークアクセスの権限がなくなった!

面談を終え動揺を落ち着けられないまま、別室して仕事をしている夫に報告。本気で驚いていました。本当に当日解雇されるのか!という感じですよね。

私自身も心の準備はしていたつもりでもやはり衝撃は大きくちょっとした興奮状態だったと思いますが、そんな中とりあえず言われた通り必要そうなメールを他の同僚に転送することにしました。と、しっかり最近のメールに目を通す間も無く15分くらいで社内ネットワークやOutlookアカウントへのログインの権限がみるみるうちになくなり何もできない状態に。情報流出とかのリスクを考えて「本当に来週までPC持ってていいの?」と面談で質問したのですが、なるほどこの速さでは何も流出しようがない(笑)私は何もできなくなったPCを前にただ茫然とするばかりでした。

 

アメリカの解雇の種類

この状況になり初めて知ったのですが、アメリカには解雇と言ってもいろいろあるようです。私のわかる範囲でまとめてみました。一般的にこんな感じというだけで、会社によって形態や呼び名が若干変わる場合もあると思いますが悪しからず。

fired

勤務態度が悪い、能力が低い、問題を起こしたなどの理由で解雇されること。いわゆる「クビ」ってやつですね。失業保険はもらえないです。

lay off

会社の業績の悪化による仕事量の現象などを理由とする一時解雇。会社都合のため失業保険が給付される。呼び戻される場合もあるし、将来その会社で求人募集があった場合に応募することもできる。会社からはいったん切り離され退職扱いとなる。

standby / furlough

会社の業績の悪化による仕事量の現象などを理由とする出勤停止。大抵2〜3ヶ月等の期限が決まっている。一時的に人件費を削減したいだけですぐに呼び戻されることもあるだろうし、業務量が戻らずそのままlay offに移行される場合もある。会社からはまだ完全には切り離されず、退職金も支払われないし退職の通知も来ない。失業保険は給付される。

 

アメリカでの解雇まとめ

  • 大抵の場合金曜日などの週末に行われる。(解雇対象となる従業員、同僚である従業員の精神的ショックに配慮?)
  • 解雇と言っても、いろんな種類がある。
  • よくアメリカでは「当日肩たたき」と言われるが本当にあり得た。ただし、大企業などでは計画的に数ヶ月後に解雇(最終日)などと告知がある場合もあるらしい。

 

その2ではPCと社員証の返却、失業保険の申請について書きます。