子なしアメリカ駐在妻の徒然日記

2019年から夫のアメリカ駐在に帯同。コミカレ入学、就活、アメリカ企業での仕事などのついて書きます。

アメリカで駐妻が働くまで(仕事探し編)

筆者のスペック

年齢・家族構成

アラサー、子なし。夫は私の就職について多少心配はあるようだが、私が心身ともに健康に過ごせるのであれば、と好意的。

居住地域

西海岸、そこそこ都会。日本人コミュニティは中国・韓国等他国に比べれば小さいがあり。日本系スーパーマーケットもあり。

学歴

日本の文系4大卒(英文科)。海外経験は大学時代の1ヶ月のホームステイと現地語学学校での語学研修のみ。

職歴

日本のメーカーで勤続5年以上(事務職)。体を壊して休職していた時期などもあって、これと言った専門性やキャリアはない。英文科卒ということで、たまに雑用的に仕様書、監査報告書、議事録などの日訳・英訳を頼まれてはいたが、グーグルに頼りまくり自己流で適当に翻訳していた。

 英語力

TOEIC 780点だが、ちゃんとした文章での英語は話せない。単語の羅列みたいになったり、時制がぐちゃぐちゃになる。とにかく自分で自信がない。
相手の言っていることも、ゆっくり簡単な内容でやっとわかる。人見知りなのでそもそもコミュニケーションに過度に緊張してしまう。文章の読み書きはスピーキングより多少マシだが、前職ではほとんど英語を使わなかったのでビジネス英語の知識は皆無に近い。英語のミュージカルが好き。

希望していた仕事
  • 前職の経験を生かしたい
  • 日本帰国後のキャリアに生かしたい
  • ものづくりの業界が好き
  • 英語力を高めたい

ということで、なんとなく製造業がいいかなと思っていました。IT系などにも興味はありました。これもなんとなく。当時は「私なんかがアメリカ仕事を選べるのだろうか?」という不安も大きかったので、就職できるのであればなんでもいいや、というのが正直な気持ちだったかもしれません。(それほど日本で仕事を辞めたことが不服で、自分で収入を得ることに飢えておりました。)もともと英語を勉強していたけど全然自信を持って話せるとは言い難く、これをチャンスに帰国後は胸を張って「英語できます!海外で働いた経験あります!」と言って転職したいなと思っていました。

仕事探しの方法、私はコネ入社です!

アメリカで仕事を探す一般的な方法
  1. 在住エリアの日本語ポータルサイト・情報誌の求人欄、掲示板で探す
  2. 日本人向けの就職エージェントに相談し、仕事をマッチング・紹介してもらう
  3. Indeed、Linkdin等の一般向け就職情報サイトで探す(もちろん英語)
  4. コネ(知人の紹介) 

働く!と決めてEADを申請し到着を待っていた時から私が確認していたのは主に1、2です。大体日本人向けの求人の時給はいくらくらいが相場か?求人の多い場所は?仕事内容は何が多い傾向か?など調べていました。EADも届き本格的に就職活動を開始しようと思い「やっぱり不安だしよくわからないしエージェントに相談していろいろ情報をもらおう」と思っていた矢先に、アメリカに来てからボランティアを通じて知り合った永住の日本人の方にその方の職場(日系企業)での求人を紹介してもらいました。本当にラッキーでした。

おすすめの仕事探しの方法はコネづくり!

アメリカでは「コネ入社」が主流

面接一発勝負やレジュメ に書かれた学歴・経験の情報、内容の充実度だけで決まってしまう就職よりも、仕事以外の場で知り合った人の紹介の方が自分という人間がどのような人間なのか?よくわかってもらえますよね。その分会社とのマッチングもうまくいくような気もします。紹介する側にも紹介先に対する責任が伴うので全く的外れな人材を紹介できませんし、紹介される側も仲介してもらった人の顔を立てようと仕事に責任を持てます。アメリカでは”Referral”といい、とても一般的な就職方法のようです。(日本にももちろんなくはないですが。)

紹介する人にもされる人にも、さらに会社にもメリットが

入社時に書く書類には仕事を紹介してもらった人(その会社の従業員)の名前を書く欄がありました。そこに名前を書かれた従業員(人材を紹介した従業員)に何百ドルかのボーナスが入るようです。余談ですがアパートメントの入居の際にも”Referral”を書く欄が同様にあり、こちらも同様に結構な額のボーナスが付与されます。紹介する側には謝礼がもらえるというメリットがあり、会社も全くバックグラウンドのわからない人を面接だけで入れるよりも、人を介しての紹介の方が何人も面接するよりも良い人材を集めるのために合理的という判断なのでしょう。アパートメントの入居者も然りですね。

コネづくりの実践おすすめ方法

コネを作るための場所
  1. ボランティア
  2. 習い事
  3. 日本人主催の交流イベントや講演会
  4. インターネット?
まずは友達を作り、自分の居場所を作る!

私は最終的に1のボランティアで知り合った方に仕事を紹介してもらうことができました。ボランティアの内容は日本文化紹介イベントのブースで日本文化を紹介する、というものです。まずはインターネットで地域の日本語ポータルサイト・掲示板をみると、ボランティアの募集がいくつか出ていると思います。自分の興味を持った日本人ボランティア団体にコンタクトをとり、見学させてもらいましょう。2の習い事も同じで、まずは自分の興味のある習い事を日本人の人と楽しんでアメリカでの居場所を作る、プラス仕事につながればいいなぁという感じでいかがでしょう。最初は少し勇気が必要ですが、どの団体もアメリカの地で日本語でコミュニケーションができる相手は貴重なので歓迎してくれるところが多いはずです。まずはその場所での人との交流を楽しみ、良好な人間関係を築き友達を作り、活動を一生懸命楽しくやりましょう。「ちょっと違うな」と思ったら、フェードアウトして別の団体を訪ねてみましょう。別に会社で働かなくても、楽しくてそこが自分の居心地のいい居場所になるかもしれません。そうなったらそれも結果オーライです!活動を通して楽しく自然にいろんな人に自分の人間性を知ってもらいましょう。

雑談の中で「仕事がしたい」と相談してみる

上記を前提とした上で、いろんな人との雑談の際に「私アメリカで働きたいんです!」と相談してみましょう。まだ自信がなければ「実は仕事したいんですよねー。でもちょっと英語は不安なんです。」などの相談でもいいと思います。相手も仕事探しの相談に乗ってくれるかもしれませんし、直接求人を紹介してもらえるかもしれません。「こうしたらいいよ」「この人に会うといいよ」というような有益な情報をもらえるかもしれません。「仕事を探している日本人がここに一人いる」と知ってもらうだけでも、いつかその人に思い出してもらえて仕事につながる可能性が高まると思います。

現地就職・永住している人は頼りになる

特に私がオススメするのは、アメリカで現地就職し永住している人と多く知り合うことです。日本の会社から多額の手当てをもらっている駐在員と永住・現地採用の方との間には深い溝がある…などとよくネットでも目にしますし、実際私の駐在妻の知り合いの方で永住の方と密に人間関係がある方はあまり知りません。しかし、多くの永住の方はチャレンジしたいと言う人に対して非常に協力的です。アメリカに移住した方は、永住というステータスを自分の手で得るために、文化も言語も違う国で勉強に仕事にチャレンジを重ねてきた人たちです。国際結婚により永住となった方も、家庭内での文化の違いに苦労しながらも並々ならぬ努力をした上で現地のコミュニティの中で暮らしている人が多いです。そしてこちらでは共働きが一般的なので、日本人夫婦・国際結婚夫婦に関わらず夫婦二馬力で働いていることが普通です。皆さん自分の努力で仕事や生活を勝ち取っている人なので、そういう方々への尊敬の念を持った上で「キャリアアップのために挑戦したいので力を借りたい、いろいろ教えてほしい」という姿勢で相談するととても真摯に答えてくださる方が多かったです。

とにかくまずは自分らしく楽しめる居場所を手に入れよう

3については現地で活躍する日本人ビジネスマンのパネルディスカッションに一度夫と参加したことがありますが、こう言った場に足を運ぶと直接仕事につながる人間関係を得ることもできるかもしれません。何より勉強になります。4についてはこのご時世ですからインターネットのMeetupなどでもよいご縁があるかもしれません。私はあまり詳しくないのでわかりませんが。おすすめは、とにかく自分が「楽しそう!」「やってみたい!」と思える日本人コミュニティでの活動(習い事・ボランティア)を探して勇気を出して訪ねありのままの自分を見てもらい、そこで知り合った人と仲良くなり相談してみるというのが一番よいのではないかと思います。

「英語ができる」より「日本人である(日本語ができる)」が重宝される

日本にいるとTOEICの点数などで英語力があるか、海外留学経験があるか、と言うことが就職する際の能力評価に影響するように、アメリカでは逆に「日本人であること」「日本語ができること」「日本の会社で働いたことがあること」が大きな強みになります。アメリカという日本ではない場所では当然のことなのですが、アメリカといえば英語力だけに目が行きがちだった私には眼から鱗でした。アメリカに住む日本人は少ないので、自然と希少価値が高くなります。アメリカには日本と関わる仕事は非常に多いです。あなたはすでにアメリカ社会という土俵で高く評価される特殊能力を持っているのです!こういう仕事は日本の方を向いてする仕事(日本の会社と主に調整・やり取りする仕事)が多いのですが、同僚に日本人も多いですしいきなり英語漬けのアメリカの会社に飛び込むのは不安だと思う場合にはちょうどよいと思います。何よりアメリカ企業とあまりに文化の違う日本企業で実際に働いた経験があり、仕事相手である日本企業の人たちを理解し密にコミュニケーションとれる、空気が読めるという能力は貴重なものと見なされるようです。
そのほかでは特に日本食がブームということもあり、日本食レストランの求人はひっきりなしに出ています。会社勤めもいいですが、日本独自の文化など”Cool Japan”を海外に紹介する最先端で活動するのも、楽しそうですよね。

あなたの仕事探しの成功を祈っています!今後レジュメ の書き方・面接体験談についても更新予定です。